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    <潜水業務の管理>
 

  潜水業務は潜水者ばかりでなく、船上または陸上にいる潜水を支援する者たちとの共同作業であ

 る。潜水を支援する者は、水中で働く潜水者の極めて厳しい作業環境を考慮して適切な支援や援助

 を行い、潜水者の安全の向上につとめなければならない。潜水者の安全を確保する上での最低限の

 規則が「高気圧作業安全衛生規則」(以下「高圧則」という)に定められている。この規則では、

 潜水者の安全の確保は潜水作業を実施する事業者の義務であることを明確にしている。以下、「高

 圧則」に準じて潜水業務の管理について概説する。この規則は空気潜水で船上からホ−スにより送

 気する送気潜水方式とボンベを携行して潜水する自給気式潜水方式について規定したものである。

  潜水業務の管理は、

  1)潜水者や送気員、連絡員などの潜水作業に従事する人に対する管理。

  2)潜水器や潜水装備など潜水作業に使用される機器の管理。

  3)潜水方法など作業の管理。

 の3項目に大別できる。

1.潜水者等人の管理

  潜水作業を行うためには、潜水士免許をうけた「潜水者」、自給気式潜水方式を用いる場合には

 潜水者の異常を監視する「監視員」、送気式潜水方式を用いる場合には潜水者と連絡を取る「連絡

 員」が必要となる。監視員や連絡員は特別の資格を必要としないが、送気式潜水で潜水者の送気を

 調整する業務を行う「送気員」には、予め特別の教育を行う必要がある。

  連絡員の連絡業務内容には潜水者への適正な潜降・浮上の指示、潜水作業に必要な送気量の送気

 員への連絡、送気設備などの事故発生時に潜水者への連絡、ヘルメット式潜水器を使用している場

 合にはヘルメットとかぶと台との結合の確認がある。

  潜水作業は異常高圧下での労働なので健康管理は特に重要である。このため、潜水者の雇入れ及

 び年1回の一般健康診断のほか、6ケ月に1回の定期の特殊健康診断を、定められた健診項目に従

 って行い、その結果は高気圧業務健康診断結果報告として管轄する労働基準監督署長に提出しなけ

 ればならない。また、事業者は潜水者の高気圧業務健康診断個人票を作成し、この記録を5年間保

 存しておかなければならない。この健康診断で身体に異常が認められた場合および特定の疾病に罹

 患している場合には医師が必要と認める期間、潜水業務を行わせてはならない。

2.潜水機器等物の管理

 1)送気式潜水方式の場合

  @空気圧縮機(コンプレッサ−)

  送気式潜水方式とは、空気圧縮機(コンプレッサ−)で圧縮された低圧又は中圧空気を送気ホ−

 スを通して水中の潜水者に送る方式である。空気圧縮機で作られた圧縮空気は、直接、潜水者に送

 気されるのではなく、まず、送気を調節する空気槽に送られ、その後、潜水者に送気される。空気

 圧縮機は、エンジンもしくは電動駆動のものが用いられるが、不慮の事故などによりそれらの原動

 機が停止した場合に、潜水者を安全に海面まで浮上させるため、圧縮空気を貯留しておく予備空気

 槽が必要である。

  予備空気槽の構造は、最大潜水深度の水圧の1.5倍の耐圧を有し、その容積は下記の式により

 決定される。

    V=60(0.3D+4)/P

    V:空気槽の内容積(l)

    D:最高の潜水深度(m)

    P:空気槽内の空気の圧力(kg/cm²)

  送気調節のための空気槽が上記の予備空気槽の耐圧性能と内容積を満足するものであれば、予備

 空気槽は設けなくてもよいとされている。これらの空気槽は、各潜水者ごとに設置しておく必要が

 ある。また、送気の配管経路には空気清浄装置と流量計の設置が必要である。

  A機器設備類の点検

  イ)潜水前に行う点検

    潜水を行う前には必ず、潜水器、送気管(ホ−ス類)および信号索またはさがり綱を点検す

   る。また、送気式潜水方式の場合でも空気圧縮機を使用しないで高圧空気を貯留したボンベを

   用いて潜水者に送気する場合には、圧力調整器の点検が必要となる。

  ロ)定期に行う点検

    潜水機器類は使用しなくても常に点検整備を行わなければならない。定期に行う点検の対象

   機器とその頻度は以下のように定められている。

    ・空気圧縮機または手押しポンプ------1週間毎

    ・空気清浄装置        ------1ケ月毎

    ・水深計           ------1ケ月毎

    ・水中時計          ------3ケ月毎

    ・流量計           ------6ケ月毎

  ハ)点検結果の記録と保管

    潜水機器類の点検結果は記録し、3年間保管しておく。

 2)自給気式潜水の場合

  @圧力調整器

  スク−バ式潜水器に使用する圧力調整器(レギュレ−タ)は、ボンベの貯気空気圧が10気圧以

 上の場合は、2段以上の減圧方式のものを使用する。

  A機器類の点検

  イ)潜水前に行う点検

    潜水を行う前には必ず潜水器、圧力調整器(レギュレ−タ)を点検する。

  ロ)定期に行う点検

    定期に行う点検の対象機器とその頻度は以下のように定めらている。

    ・水深計           ------1ケ月毎

    ・水中時計          ------3ケ月毎

    ・ボンベ           ------6ケ月毎

  ハ)点検結果の記録と保管

   潜水機器類の点検結果は記録し、3年間保管しておく。

 3)再圧室

  再圧室は、水深10m以上の潜水業務を行う場合に生じる減圧症などの高気圧障害を最小限にく

 いとめるための救急設備であり、常に利用できる体制としておかなければならない。特に、潜水深

 度が深い場合や、潜水時間が長い場合には必要不可欠である。規則では、再圧室の「設置または利

 用できるような措置を講じる」ことが義務づけられているが、必ずしも潜水現場に再圧室を用意し

 ておく必要はなく、再圧室と潜水現場との距離的な遠近にかかわらずいつでも利用できるような準

 備を予め整えておけばよい。

  @再圧室の設置場所

   再圧室では高圧の空気などを利用するため、酸素分圧が上昇し、火災の危険性は通常より高く

  なることから、危険物、火薬類、多量の易燃性物質の貯蔵・保管場所やその付近といった火災・

  爆発などの危険性がある場所は避けなければならない。また、地形的な面からは、出水、なだれ、

  土砂崩壊などにより再圧室そのものが損壊を受けるおそれのある場所には設置してはならない。

  A立入禁止の措置

   再圧室の内外部は送気・排気などの配管やバルブ・計器などが装備され、どれか一つでも異常

  を生じた場合には、再圧室の操作に支障を来し、再圧室内の人の人命に影響を与える結果となる。

  このため、再圧室を設置した場所や操作する場所はみだりに人が侵入しないよう関係者以外の者

  は立入禁止とする。

  B再圧室の使用と点検

  イ)再圧室の使用

    使用時には以下のことを厳守する。

   ◎使用前の点検

    再圧室の使用に際しては、事前に、送気設備、排気設備、通話設備、警報設備の作動状況を

   点検し、異常を認めたときは、直ちに補修するかまたは取り替える。

   ◎純酸素で加圧しない。

    純酸素で再圧室を加圧すると、例えば再圧室内部にある空気清浄用のフィルタ−などにコン

   プレッサ−などからの油類が付着している場合には、これに油類が高圧の酸素と接触し、火災

   を発生させる危険性がある。一度火が着くと再圧室内部の塗装や衣類などに燃え移り、ほぼ瞬

   間的に全焼状態となるため、消火設備があっても間に合わない。発火原因には静電気による放

   電などもある。このように、純酸素による加圧は危険であるので、どのようなことがあっても

   絶対行ってはならない。

   ◎副室の完備

    再圧室での火災やガス汚染が発生した場合には、主室から副室へ避難する方法が被害を避け

   る最良の方法である。従って、再圧室には主室の他に副室を設け、使用時には主室と副室を常

   に同圧にしておくとともに、必要な場合を除き両室の間の扉は閉めておく。

   ◎常時監視

    再圧処置中は再圧室の操作を行なう者に加圧・減圧の状態その他異常の有無を常時監視させ

   ておくことが必要である。

   ◎再圧室使用記録の管理

    再圧室を使用する場合はその加圧・減圧状況などを必ず記録しておく。特に、加圧開始時刻、

   減圧開始時刻、圧力保持時間、室内圧力、内部の人の状況(痛みのなど減圧症の症状の消失時

   刻と圧力など)、温度、送気圧などが記録対象となる。

  ロ)再圧室の点検

    再圧室は設置時及びその後1ケ月以内ごとに次の点検を行い、異常を認めたときは、直ちに

   補修するか取り替える。

     ・送気設備及び排気設備の作動状況

     ・通話装置及び警報装置の作動状況

     ・電路の漏電の有無

     ・電気機械・器具及び配線の損傷その他異常の有無。

     ・点検結果は記録し、3年間保管しておく。

  ハ)危険物の持込み禁止

    以下のものは再圧室内部へ絶対に持ち込んではならない。また、その旨を再圧室の入り口に

   掲示しておく。

     ・危険物その他、発火または爆発のおそれのあるもの(マッチ、ライタ−類)

     ・高温となって可燃物の点火源となるもの(カイロなど)

3.潜水作業の管理

 1)潜水作業時間の厳守

  潜水作業の実施に際しては潜水者の安全管理上、以下の時間を厳守するよう、管理しなければな

 らない。

  @浮上(減圧)時間

   潜水深度と潜水時間に応じた浮上停止深度および時間。

  A繰り返し潜水時の業務間ガス圧減少時間。

  B潜水終了後の業務終了後ガス圧減少時間。

 2)浮上の速度の厳守

  潜水最大深度から浮上開始深度までの浮上や、浮上停止深度間の浮上では浮上速度は毎分10m

 以下の速度で行なう。

 3)送気量と給気能力の通知

  送気式潜水では潜水者への送気は潜水深度の圧力下での送気量を毎分60l以上とする。自給気

 式潜水ではボンベの給気能力(残圧)を確認する。

 4)浮上の特例

  事故などの緊急事態により、規定された水中での減圧が行えない場合には、浮上速度を速めたり、

 減圧時間を短縮することができる(高圧則第32条)。この場合には浮上後再圧室にて最高潜水深

 度相当圧まで加圧し、再度、再圧室内で減圧を行わなければならない。この場合、加圧速度は毎分

 0.8kg/cm² 以下の速度で行う。

 5)純酸素の使用制限

  潜水業務を行うときは潜水者に純酸素を吸入させてはならない。

 6)潜水者の携行物

  潜水者は、潜水器の他、以下のようなものを携行する。

  @送気式潜水の場合

   ・信号索

   ・水中時計(潜水時計)

   ・水深計

   ・鋭利な刃物(ただし、潜水者と連絡員が通話装置により通話可能な場合には、信号策、水中

    時計および水深計は携行しなくともよい。)

  A自給気式潜水の場合

   ・水中時計(潜水時計)

   ・水深計

   ・鋭利な刃物

   ・救命胴衣または、BC(浮力調整具)ジャケット

 7)さがり綱(潜降索)

  いかなる潜水方式の場合でも、潜水業務を行う際には潜降・浮上のための「潜降索」を用意し、

 これを潜水者に使用させる。潜降索には、減圧深度を表示する木札、布などを取り付けておく。

 

 
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