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  トライミクス(3種混合ガス)とは

 トライミクス(TRIMIX)とは酸素を含む3種類の混合ガスという意味で、
潜水
分野ではヘリウム・窒素・酸素混合ガスを示す通称となっています。
潜水分野で用いられている他の混合ガスには、窒素と酸素からなる
ナイトロクス(NITROX)やヘリウムと酸素の混合ガスであるヘリオクス
(HELIOX)などがあり、それぞれ作業条件(深度、時間)によって使い
分けられています。

 潜函作業に従事する場合、私達は通常より高い圧力に環境下に
曝されることになり、表1-1に示すような様々なリスクに直面することに
なります。潜函作業室内の空気を呼吸して作業を行う場合、作業圧力が
上昇し空気中の窒素分圧が高くなると、窒素の麻酔作用が出現し、
窒素酔いを起こすことになります。また、作業圧力の増加により空気
密度も増加するため、呼吸抵抗が増大し、労作能力を低下させるとともに、
窒素酔いや減圧症などの発生を促進させる悪影響をもたらすことになります。

1-1.高圧の作用と障害

物 理

原 因

障 害


1)加 圧
 @直接作用
  a.均等加圧
  b.不均等加圧

 A間接作用
  a.呼吸ガスの密度増加
  b.成分ガスの分圧上昇
   @)酸素(O2
   A)窒素(N2
   B)炭酸ガス(CO2)
   C)ヘリウム(He)

2)減 圧
 @直接作用
  a.均等加圧
  b.不均等加圧

 
A間接作用
  気体溶解度減少


 


組織の変形、圧迫


呼吸抵抗の増大

酸素の毒性

麻酔作用
炭酸ガス過剰
神経細胞間の伝達障害





肺の膨張


体内気泡の形成


 

非常に高圧の場合のみ出現
締め付け傷害(スクィ-ズ)


肺換気不全

酸素中毒
窒素酔い
炭酸ガス蓄積
高圧神経症候群






肺破裂、空気塞栓症


減圧症(潜水病、潜函病)

 一方ヘリウムは分圧が高くなっても麻酔作用を起こすことはありません。
また分子量が窒素の1/7と非常に軽いため、酸素と混合し呼吸ガスとして
用いれば、環境圧力が高くなっても密度増加による影響が少なく、呼吸
抵抗もあまり大きくなりません。ただしヘリウムには、音声を歪ませる性質の
ため会話が不明瞭になる、大きな熱伝導度(熱絶縁性が低い)のため体が
冷やされる、ガス自体のコストが高い、などの欠点もあります。

 表1-2はナイトロクス、ヘリオクスおよびトライミクスの特性を比較したもの
です。ナイトロクスは窒素を主成分とし、ヘリオクスはヘリウムを主成分と
するため、それぞれ主成分ガスによる特有な長所短所を示すことになります。
一方トライミクスは、その成分にヘリウムおよび窒素を含むため、ナイト
ロクスとトライミクスの中間的な性質を持つものと考えられています。

1-2. 各種混合ガスの特性比較

混合ガス

(空 気)

ナイトロクス

ヘリオクス

トライミクス

減圧

短時間作業

良い、有利

良い、有利

長い減圧必要

比較的良い

長時間作業

長い減圧必要

短時間減圧

比較的短い減圧

良い、有利

麻酔作用

0.3MPaから出現

0.5MPaから出現

無 し

0.6MPaから出現

音声の歪

無 し

無 し

有り(大きな歪)

非常に小さい

熱絶縁性

良 い

良 い

悪 い

良い

呼吸性

高圧化では困難

高圧化では困難

高圧下でも容易

高圧下でも比較的容易

その他

容易に入手可能

比較的容易に入手可能

入手困難

多少入手困難

 

 

 

 

 

 

             *表に示した混合ガスの特性は、図1-1に示した組成の場合です。

        図1-1:各種混合ガスとその組成

 トライミクスは窒素を含むため、水深100mを超えるような大深度での
潜水や作業圧力が1.0MPa(10kg/cm2)以上の超高圧潜函工事では、
麻酔作用や呼吸抵抗増大のため使用不可能となるため、そのような
圧力下では呼吸ガスにヘリオクスを利用することになります。しかし、
それよりも浅い水深30〜80m程度の潜水や、これに相当する0.3〜
0.8MPa(3〜8kg/cm2)の作業圧力範囲で実施される大深度潜函工事
では、トライミクスは空気より麻酔作用が弱く、呼吸の際の気道抵抗も
小さいため、非常に有効な手段となります。

 また、トライミクスはヘリオクスに比べ音声の歪みが少なく、熱絶縁性も
比較的良いので体温の低下も緩やかなものとなるほか、高圧下の時間が
90〜100分程度までの作業では、空気や他の混合ガスを使用する場合
より減圧時間を短縮することができます(図1-2)。

   図1-2:作業時間と減圧時間の関係

 

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