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    <潜水の種類>
 

1.潜水器の種類による分類

  水中での呼吸の確保に必要な機械設備を「潜水器」または「潜水設備」というが、
 その潜水器に
は多種多様なものがある。これらの潜水器を、潜水者との関係、呼吸
 機器との関係などから分類す
ると次のようになる。

 1)大気圧潜水(硬式潜水)

   大気圧潜水とは、潜水者が水中で大気圧の状態に保持されて潜水する方法をいう。

    例) 潜水艦、潜水艇、大気圧潜水服、観察潜水球など

 2)環境圧潜水(軟式潜水)

   環境圧潜水とは、潜水者が潜水深度に応じた水圧を直接うけて潜水する方法を
  いう。環境圧潜水
は、潜水者への送気方法の違いから次のように分類される。

  イ)送気式潜水

    潜水者への送気方法が船上からホ−スを介して行なわれる潜水方法であり、
   ホ−ス式潜水ともい
われる。送気式潜水は水中での呼吸ガス確保の心配がない
   ため海底での長時間の作業に適している。
送気式潜水器には次のようなものが
   ある。

   @ヘルメット式潜水器

    金属製のヘルメットとゴム製の潜水服により構成されている潜水器で、潜水
   中は常時連続的に潜
水者への送気が行われ、排気は海中へ直接放出される。
   
一般海中工事用として広く使用されており、開発されてからの歴史が最も古い
   潜水器である。ヘ
ルメット式潜水器は水中での呼吸が楽に行えるること、船上
   との通信が良好なこと、潜水器の構造
がシンプルなことなどの特徴がある。

   Aフ−カ(ナルギ−ル)式潜水器

    スク−バ式潜水器から派生した潜水器で、ボンベやコンプレッサ−などを
   船上に置き、これらと
レギュレ−タ−をホ−スでつなぎ、潜水者はレギュレ−タ
   をくわえて潜水を行うという潜水器であ
る。スク−バ式潜水のようなボンベに
   よる空気量の制限がないので比較的浅い深度での長時間の潜
水作業に広く使用
   されている。
潜水者への給気はデマンド式(応需式)なので潜水者の消費ガス
   量は比較的少ない。今後の課題
として、通信機能の改善が望まれている。

   Bマスク式潜水器

    初期のマスク式潜水器は、送気された空気が潜水者の顔面部に限定されて
   送られるもので、ヘル
メット式の簡易型として開発された。送気の方式が定量
   送気の場合を定量送気式または浅利式とい
い、スク−バのレギュレ−タに相当
   する機構をマスク内に装備し、潜水者が吸息をするときにだけ
空気がおくられる
   デマンド式を大串式ともいう。初期のマスク式潜水器は漁船などの船舶に搭載
   さ
れ、船舶の推進器や漁網等のトラブル処理に利用されてきた。

    最近のマスクは、口鼻部をマスク内部で更に区画し、デマンド式の呼吸機構と
   通信機のマイクロ
ホンを内蔵させたものが多い。材質も金属製のものからFRP
   製、ゴム製等のものなど多種多様なも
のがある。業務用潜水器として最も広く
   使用されている潜水器である。

  ロ)自給気式潜水器(スク−バ式潜水器)

    自給気式潜水とは、スク−バ式潜水に代表されるように、潜水者が携行する
   ボンベからの給気を
受けて潜水する方法であり、それに使用される潜水器を
   自給気式潜水器という。自給気式潜水器に
は、呼吸回路の相違から次のような
   潜水器がある。

   @開放呼吸型スク−バ式潜水器

    潜水者の排気が直接海中に放出される呼吸回路で、現在、最も一般的に使用
   されている潜水器で
ある。

   A半閉鎖回路型スク−バ式潜水器

    排気の一部を循環させ炭酸ガスを吸収し、酸素と窒素の混合ガスを添加して
   再呼吸する呼吸回路
をもつ潜水器である。我が国では海上自衛隊が使用している
   のみで一般には使用されていない。

   B閉鎖回路型スク−バ式潜水器

    潜水者の排気を100%完全に循環させ、炭酸ガスを吸収させ、酸素を潜水
   深度に適した量だけ
添加し、再呼吸する回路をもつ潜水器である。我が国では
   使用されてはおらず、わずかに、酸素ラ
ング、エレクトロラング等の名称で
   海外から紹介されただけである。海外においても軍事用にのみ
使用されている
   非常に特殊な潜水器である。

 

2.潜水方式による分類

  潜水業務は潜水者だけで行なうものではなく、潜水者を補助する連絡員、送気員や
 設備、装置な
どの付帯設備の支援を得て行なわれるもので、その役割分担や支援体制は
 潜水器ごとに異なってい
る。それらについて以下に示す。

 1)ヘルメット式潜水方式

   潜水器のなかで最も長い歴史があり、その原型は明治の前半にほぼ確立され
  今日にいたっている。

   その間、各部品の簡単な改良はなされたが基本的機構はほとんど変わっていない。
  船上からホ−ス
を介しての送気方式なので、潜水者が呼吸ガス不足に陥るような
  ことはなく、長時間の水中作業が
可能であるため潜水時間が比較的長くなる。

  @船上での支援内容

  ・潜水支援母船は「潜水作業船」と呼ばれる専用の潜水母船を使用する。

  ・潜水者への潜水装備の着脱は潜水者単独では不可能なので連絡員と送気員が行う。

  ・潜水者への送気の調節は送気員が行う。

  ・送気ホ−スの操作(繰出しと巻取)は連絡員が行う。特に、ホ−スが海面上に
   遊ばないよう留
意する。

  ・潜水者の海底での移動に応じて潜水母船を移動することもある。

  ・連絡員は潜水現場に他船が侵入しないよう監視する。

  ・送気ホ−スが自船の推進器に絡まないよう監視する。

  ・船上に再圧タンクを用意することがある。

  A水中での潜水者の行動

  ・潜水は潜水用コンプレッサ−などを搭載した潜水母船から行う。

  ・潜水者の入水、船への復帰のため潜水作業船の舷側に潜水者専用の「昇降はしご」
   を用意する。

  ・潜降時にはさがり綱を使用する。

  ・減圧時には減圧ステ−ジを使用する。

  ・潜水者は単独で潜水し、作業を行う。

  ・潜水者は水中電話で船上の連絡員と連絡しつつ作業を行う。

  ・潜水者はホ−スを引きながら潜水現場を移動する。

 2)フ−カ(ナルギ−ル)式潜水方式

   潜水者の装備はスク−バ式潜水とほぼ同じであるが、大きく異なる点は呼吸用の
  高圧空気ボンベ
を携行しないことである。送気は船上から送気ホ−スを介しておこなわ
  れる。水中ではスク−バ式
潜水とほぼ同じように機動性のある行動がとれるが、
  送気ホ−スを装備しているため広範囲の移動
時には制約をうける。

  @船上での支援内容

  ・潜水母船は特定せず、どのような船舶からも行う。

  ・潜水装備の装着はほとんどの場合、潜水者単独で行う。

  ・潜水者への送気は船上の送気員が行う。

  ・連絡員はホ−スの操作を行う。

  ・連絡員は潜水現場に他船が侵入しないよう監視する。

  ・連絡員は送気ホ−スが自船の推進器に絡まないよう監視する。

  ・小型再圧タンク(ワンマンチャンバ−)を船上に設ける場合がある。

  A水中での潜水者の行動

  ・潜水者は、潜降・浮上時には通常さがり綱を使用しないが、水中視界の悪い場合や
   流れの強い
潜水現場、または減圧を必要とする潜水ではさがり綱を使用する。

  ・潜水者は単独で潜水し、作業を行う。

  ・潜水者は送気ホ−スを水中でたぐりながら作業場所を移動する。

  ・減圧は減圧ステ−ジを利用して行う。

 3)マスク式潜水方式

   マスク式潜水方式はへルメット式潜水器の簡易型として開発されたが、初期の
  ものに比べ、現在で
は、形状、機構、材質など多くの点が改良され、その種類も
  多岐にわたっており、特にデマンド
式レギュレ−タ−を装備した全面マスクは、
  業務潜水の分野で広く使用されている。全面マスクは
顔全面を覆っているため、
  呼吸が楽であり、明瞭な水中通話が可能である。

   また、ホ−スによる送気を受けるため、潜水時間が制約されないこともあり、
  水中作業に適した
潜水方式である。

  @船上での支援内容

  ・潜水母船は特定せず、どのような船舶からも行う。

  ・潜水者への送気は通常コンプレッサ−から行う。

  ・送気ホ−スの潜水者への繰出し、巻き上げは船上の連絡員が潜水者からの連絡に
   より行い、潜
水者へのホ−スが最短距離になるよう調整する。

  ・潜水装備の装着はほとんどの場合、潜水者単独で行う。

  ・通常、作業船を潜水現場に係留しておき、そこから潜水する。

  ・潜水深度が深い場合や長時間の潜水が予想される場合は船上に再圧タンクを
   用意する。

  ・船上への昇降用設備を設ける。

  A水中での潜水者の行動

  ・潜水者は単独で潜水し、作業を行う。

  ・潜水者は送気ホ−スをたぐりながら作業場所を移動する。

  ・潜降・浮上時にはさがり綱を、減圧時には減圧ステ−ジを利用して行う。

 4)スク−バ式潜水方式

   スク−バ式潜水は潜水装備が小型であり、送気ホ−スや水中電話用通信ケ−ブル
  など潜水者の行
動を制限するものがないため、水中での行動は潜水者の判断で行う。
  そのため、潜水者の技術、経
験が作業能率や安全の確保などに影響することから
  潜水者の精神的、肉体的ストレスも大きい。

   潜水は船上から行なう場合と岸壁や陸岸から行なう場合がある。いずれの場合も
  入水や浮上場所
は予め定めておく必要がある。

  @船上側の支援内容

  ・潜水母船は特定せず、どのような船舶からも行う。

  ・高圧コンプレッサ−によりボンベへの空気の充填を行う

  ・潜水中は潜水者の排気による泡、および潜水場所への船舶の侵入などを監視する。

  ・水中電話など船上と潜水者との連絡手段を持たないので、船上では潜水者の出す
   泡を監視し潜
水者の位置の把握を行う。また、潜水前に潜水者のボンベの残圧の
   計測し、潜水者へその通知
を行う。(最近では、超音波を利用した水中無線機を
   利用して船上との通信を行うこともある。)

  ・減圧を必要とする潜水では減圧時に使用するボンベなどを予め用意しておく。

  ・潜水装備の装着はほとんどの場合、潜水者単独で行う。

  ・潜水母船と海面の専用昇降設備は特に設けない。

  ・小型再圧タンク(ワンマンチャンバ−)を船上に設ける場合がある。

  A水中での潜水方法

  ・水中では2人1組のバデイ潜水で行ない、単独潜水は行わない。

  ・ボンベの空気貯気量に制限があるので潜水時間は厳守しなければならない。
   このため、水中時
計は必ず携行する。

  ・船上との連絡用水中電話は通常使用しない。

  ・潜水者は、潜降・浮上時には通常さがり綱を使用しないが、水中視界の悪い
   場合や流れの強い
潜水現場、または減圧を必要とする潜水ではさがり綱を使用する。

  ・潜水者はボンベの残圧を水中残圧計で常に監視しておく。通常、残圧が30kg/cm²
   前後になると浮上を開始する。

 

3.呼吸用ガスによる分類

  潜水に使用される呼吸ガスは一般的には空気であるが、空気を用いて深く潜水する
 ことは、高分
圧窒素による「窒素酔い」により限界がある。このため今日では、潜水
 環境に応じて、空気以外の
種々のガスが用いられている。潜水を呼吸ガスにより分類
 すると以下のようになる。

 1)空気潜水

   空気の組成は酸素約20%、窒素約80%の割合の一種の混合ガスであり、この
  割合は世界中ど
この場所でも変わりがない。ただし、高い山などの高所地帯では
  気圧が低くなるので空気は稀薄に
なり、絶対量は少なくる。通常の潜水は空気を
  利用して行なわれ、特に断りのない場合には潜水と
は空気潜水をさす。

 2)酸素潜水

   我が国では、潜水業務で純酸素を用いた潜水は禁止されている。欧米では軍事用や
  水深10m以
下のごく浅い深度で比較的長く作業するために閉鎖式酸素呼吸器が
  開発されている。呼吸ガスに酸
素だけを使用するので不活性ガスの体内吸収はなく、
  そのため、減圧症の心配はないが、深度の制
限を超えを水深10m以上に潜水すると
  酸素中毒になり水中で意識を失うといったような重大事故
を引き起こす場合がある。
  なお減圧症の治療として空気呼吸で再圧治療を受けるより、酸素呼吸の
ほうが治療
  効果が著しく高いといわれている。また、空気潜水における減圧の場合、水深10m
  以
下での酸素呼吸は減圧時間を空気呼吸より約半分に短縮できるともいわれている。
  このように酸素
は劇薬と同じで、正しく使用すると減圧症の予防に潜水にきわめて
  効果的な作用をもたらすが、使
用を間違えると重大な結果をもたらすので安易な
  使用は厳につつしむべきである。

 3)窒素−酸素混合ガス潜水

   酸素中毒にならない程度に通常の空気より酸素を多くし、また窒素を減少させた
  呼吸ガスを用い
て潜水するのが窒素−酸素潜水である。例えば、水深30mでの
  潜水に窒素60%、酸素40%の
ガスを使用する場合は、海底で潜水者が呼吸して
  いる酸素の分圧は、

    4絶対気圧×40%=1.6気圧

  となる。同じく窒素の分圧は、

    4−1.6=2.4気圧

  となる。この値を空気を用いた潜水にあてはめてみると、空気中の窒素を約80%
  含むので、

    2.4÷80%=3絶対気圧=水深20m相当

  となる。従って、窒素の分圧は空気潜水で深度20mの潜水を行った場合に相当し、
  そのため、
20m潜水時の減圧ですむので、それだけ減圧時間が短くなる。しかし
  ながら、空気に比べ、酸素
の割合が多くなるので潜水者は潜水を行なう前に酸素に
  対する耐性試験を受け、酸素に対する生理
的な反応を確認してから行う必要がある。

 4)ヘリウム−酸素混合ガス潜水

   潜水深度が40mを超えると、空気潜水では窒素の麻酔作用により正常な判断力が
  麻痺し潜水者
は理性的な行動をとれなくなる。このため水深40m以上の潜水では
  窒素に代わりヘリウムを使用
した、ヘリウム−酸素の混合ガスを使用した潜水が
  行われる。ヘリウム−酸素の混合ガスは深度が
深くなるためPTC潜水又はSDC
  潜水などと併せて使用される場合が多い。ヘリウムガスには窒
素のような麻酔作用は
  ないが、窒素にない他の特性があり、そのため使用に際しては、特別な対策
を講じる
  必要がある。

  ヘリウムガスの特性

  ◎利 点

   @高い圧力下で麻酔作用を起こすことがない。

   A体内に溶け込む量が少ない。

   B体内から排泄する速度が大きい。

   C長時間潜水では空気の場合より減圧時間が短くてすむ(A、Bの効果)。

   D呼吸抵抗が少ない。

  ●欠 点

   @体内に溶け込む速度(拡散率)が大きく、また、はやく飽和するので短時間潜水や
    浅深度潜
水では減圧時間が長くなる。

   Aガスそのものがに高価である。

   B熱伝導度が大きく呼吸による潜水者の体熱損失が大きい。

   C気体密度が小さいので音声歪みが大きく、明瞭度が低下する。

 5)ヘリウム−酸素−窒素三種混合ガス潜水

   ヘリウム−酸素の混合ガス潜水ではヘリウムによる潜水者の体熱損失や音声の歪み
  などが大き
いため特別な設備が必要になる。また、ヘリウム自体も高価である。

  そのため、潜水深度50m〜90mのいわゆる中深度域で、かつ潜水時間も40分〜
  60分のというような短時間の潜水では、
ヘリウムや酸素のほかに窒素酔いにかから
  ない程度に窒素を加えた、窒素−酸素−ヘリウムの3種
混合ガスが用いられる。
  これにより潜水者の体熱損失や音声の歪みを軽減でき、既存のマスク式潜
水器、
  スク−バ式潜水器などがそのまま利用でき、空気潜水では到底困難で危険であった
  中深度域
の潜水が可能となった。

 

 
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