DITECは潜水・潜函作業における安全管理のスーパーアドバイザーです。                     
     緑十字;労働安全のシンボル 株式会社潜水技術センター(DIVING TECHNOLOGY CENTER) イメージ;ヘルメット
     TOP会社案内業務案内納入実績講習会関連学会リンクお問い合わせ                       
 
    <世界の潜水事情(1)>
   潜水作業は世界中で行われており、それらの作業に従事する潜水士も相当数に
  のぼります。地球的に見れば、いつもどこかで誰かが潜水作業を行っているのです。
  諸外国で行われている潜水作業も我が国と同様、多岐にわたっています。しかし、
  海外の潜水事情について入ってくる情報といえばほとんどが海底油田開発に関する
  ものです。確かに海底油田開発は、世界の潜水産業における重要なマーケットですし、
  深海潜水と言う特異な背景を持っているため話題性はありますが、実際に海底油田に
  従事している潜水士は全体から見ればほんの僅かです。海底油田潜水士以外の
  潜水士達はどのような潜水作業を行い、どのような問題に直面しているのでしょうか。
   海外の潜水事情に関する情報源はあまり多く有りませんが、諸外国にも「社団法人
  日本潜水協会」に似た組織があり、定期的に会報や雑誌が発刊されていますので、
  これから情報を得ることができます。そこで、今回は、米国職業潜水士組合
  (ADC:Association of Diving Constractors)が発刊している機関紙「Underwater
  Magazine」に記載されていた記事をご紹介したいと思います。

   今回ご紹介する記事は、作業潜水の規則改定に関するものです。我が国でも
  本年度から高圧則の送気に関する条項の改定が実施され、いろいろと物議を
  醸しておりますが、米国でも規則改定をめぐり、官民の間にすれ違いが生じることが
  あるようです。

  「OSHA」作業潜水規則を一部変更
  (原題:"OSHA Considers Changes to Commercial Diving Standard")
 
   2003年1月10日付けの官報で公表された産業安全衛生省庁(略称:OSHA/
  我が国の労働基準局にあたる)の作業潜水実施規則の改正案では、指定された
  条件下でナイトロクス潜水を行う場合には、潜水現場もしくはその付近への再圧
  チェンバーの設置を不要にするというものである。
   今回の改正は、スクーパ式潜水で行われる潜水深度が39m以下のレクリエー
  ションダイバーを対象としたものであり、作業の特性および潜水時間の長さから、
  通常はスクーパ式潜水を行うことのない作業潜水への効果は全くない。
   OSHA 担当官は、「潜水産業界は、減圧症や空気塞栓症のような潜水事故を
  防止し、治療するために役立つ革新的な潜水方式(ナイトロクス潜水等)とその
  手順を開発した。このような背景のもとに、今回の改正により、我々は、不必要な
  規則から労働者を解放することにより、労働者の安全衛生に健康に役立つで
  あろうと考えている」と言っている。
   ナイトロクス潜水では、酸素と窒素の混合ガスが圧縮空気の代わりに呼吸
  ガスとして用いられる。
   混合ガス中の窒素(減圧症の原因と考えられているガス)分圧は圧縮空気より
  低く設定されており、浮上時に減圧症を起こすことなしに長時間潜水することが
  可能である。
   OSHAによる今回の改正は、再圧チェンパー設置義務を特別に免除された
  フロリダのDixie Divers社(レクリエーション関連の会社)から 1999年に提出
  された提案を基礎としている。提案には、潜水時間や潜水深度、潜水方式などの
  条件が示されていたであろう。
   改正案に対する意見、質問等は、2003年4月10日までに当局に提出しなけば
  ならない。意見の提出は、郵送、FAXおよび電子メールで行うことができる。ADCは、
  より多くの潜水士が、この問題に関心を持つことを強く希望する。
 
  OSHAの修正提案に関するADC会長Ross Saxonのコメント:
   OSHAが作業潜水規則に取り組んでいることは確かに喜ばしいことであるが、
  一つ不思議に思う点がある。実際、取り組まれた規則はレクリエーション潜水
  産業に関するものであり、作業潜水に関するものは、規則が1977年に制定されたの
  にも関わらず、この10年近くの問、ほとんど振り返られていない。これは、一体どうした
  ことであろうか?
   私は、ADCに寄せられた質問については、OSHA担当官にたずねてみた。
  「レクリエーション潜水を主な対象として行われた改正は、以前のものも含め、作業
  潜水にも等しく適用できるように考慮していただけないであろうか?」担当宮からの
  回答は、未だに届いていない。我々の業界がこの問題に関する「被害者」であると
  認められることは非常に難しいであろう。
   なぜ、ADCはこの問題に大きな関心を持っているのか?
   それは、現在の作業潜水規則下では、ナイトロクスの使用は混合ガス潜水と
  考えられ、船上減圧式大深度混合ガス潜水と同様な手続きが要求されている
  からである。作業潜水分野へのナイトロクスの使用により得られる安全面での
  有効性を無視しながら、一方ではレクリエーション産業に規制緩和という救済を
  施すことはナンセンスである。
 
  (Underwater Magazine 2003 3・4号より一部抜粋)
 
   今回ご紹介した記事は、奇しくもナイトロクス潜水に関するものでした。米国では、
  ナイトロクス潜水は、大深度潜水技術であるヘリオクス潜水と同様に扱われている
  ため、なかなか簡単には利用できないようです。これは、ナイトロクスを利用した
  作業潜水がほとんど報告されていないことからも裏付けられます。一方、米国では、
  ナイトロクス潜水は39m以浅の深度であれば安全面で非常に高い効果があることも
  認められているようです。社団法人日本潜水協会が進めているナイトロクス潜水
  技術は、30m以浅での安全潜水実現を目標としているものですが、米国流にいえば
  「再圧チェンバーの設置が必要ないくらい」安全性の向上が期待できるということに
  なります。社団法人日本潜水協会が進めているナイトロクス潜水実用化プロジェクトが
  予定通りに進んでいけば、我が国はナイトロクスを用いた作業潜水技術で世界に
  先駆けることが出来るかもしれません。
 
   諸外国の作業潜水協会の会報には、潜水産業や潜水機器のマーケットに関する
  情報や、原子力発電所や汚染水域での潜水に関する情報などさまざまな情報が
  記載されています。また機会があれば、これらの情報を紹介していきたいと思います。
 
                        Copyright© 2005, DITEC Allright Reserved.